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新潟県工業技術総合研究所は、工業系の技術支援機関です。

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第1回エネルギーハーベスティング技術セミナーを開催しました

 7月4日(水)に、株式会社NTTデータ経営研究所の竹内敬治様を講師としてお招きし、第1回エネルギーハーベスティング技術セミナーを開催しました。企業や自治体・支援機関など26機関37名の参加者があり、注目されるエネルギーハーベスティング技術について熱心に聴講され、活発な意見交換が行われました。

≪講演要旨≫
 エネルギーハーベスティング技術を利用した分かり易い製品として、ドイツのEnOcean社の「無線スイッチ」がある。人がスイッチを押す動作で発電し、電波を出して照明器具のON/OFFをさせる。電気の配線が不要になるため、コストの削減とレイアウト変更が容易であるというメリットがある。ヨーロッパでは、石造りの家が多く配線が困難という背景から20万棟に普及している。
 鉱石ラジオ、腕時計、ソーラ携帯電話、自転車のダイナモ、太陽電池電卓等、周りの環境からエネルギーを収穫して利用している製品は以前からあった。最近の事例では、太陽光発電によるソーラーベンチレーター、各種室内センサ、レクテナ(電波を直流電流に変換)による無線エネルギーの回収、コンタクトレンズ型眼圧センサ無線給電、振動発電による車軸モニタ、水流発電によるシャワーLEDライト、車輪に発電機が取り付けられた折り畳みベビーカー、振動減衰機能を持ったテニスラケット、熱発電を利用した発電鍋、バイオ発電利用した投薬管理や尿漏れ検査システム、太陽電池と熱電素子の複合発電等、周りの環境から上手くエネルギーを収穫し利用している製品がある。
 エネルギーハーベスティング技術の事業化フィールドとして、
 @1次電池、2次電池の代替、補完
 A配線(電源配線+通信配線)の代替
 B「モノのインターネット化」を推進する新規市場
がある。特に、B「モノのインターネット化」については、ユビキタス社会の実現に向けて国際的にも大きな期待の持てる分野である。対象は、医療福祉、環境、災害対策、交通物流、産業、生活娯楽と多分野にわたる。
 エネルギー変換技術や、電圧変換技術・蓄電技術などの周辺技術の進歩と共に、エネルギーハーベスティング技術の利用分野は今後ますます広まるであろう。しかし、大企業は巨大なマーケットが見えないと動きが遅い。周辺機器も充実しており参入のハードルが下がっているので、中小企業が参入するチャンスではないか。

 参加者のアンケートでは、「分かり易い説明で大変興味深い内容であった」などのご意見が多く、今後の自社製品開発へ繋がるヒントを掴んでもらえたのではないかと思います。
エネルギーハーベスティング技術にご興味のある方は、下越技術支援センター星野 (TEL:025-244-9168,E-Mail:info@iri.pref.niigata.jp)までご連絡ください。

  
     無線スイッチ           セミナーの様子



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