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新潟県工業技術総合研究所は、工業系の技術支援機関です。

知事とのタウンミーティングが見附で開催されました



 『地域の魅力を活かす~地場の技術が持つ可能性とは~』をテーマに、平成25年7月30日(火)見附市文化ホールで”知事とのタウンミーティング”が開催されました。

 泉田知事をコーディネーターに4人のパネリストたちが、それぞれの立場で繊維産地・見附の活性化のために取り組んでいる活動の紹介や次なる行動への提言をされました。
【パネラー】
 (株)新潟三越伊勢丹 婦人服バイヤー 和泉 敦志 氏
 (株)マックスニット 代表取締役社長 坂田 政元 氏
  見附商工会 経営指導員 常田 寛子 氏
 (有)東京デザインオフィース 代表取締役社長 東 明生 氏
 

 以下、主な議論を紹介します。
 なお、議論の内容を判りやすくするため、発言順ではなく、全体として編集してあります。

→生産適地を求めて海外展開しなければならない企業の利益と生活者(国内)の利益が乖離し始めているとの指摘に対し、
中国等でも経済発展により人件費が高騰しており生産活動としてはメリットがなくなりつつあり、(自社では)国内生産9割、中国生産(外注)1割になっている。(坂田氏)
「中国デザイン日本生産」という消費地ニーズ(中国)を高品質で提供(Made in Japan)という動きもある。(常田氏)


→復興基金を使った中越地震後の産地の再生で、何が効果的だったのかに対し、

さまざまな人的なネットワークの活用で販路を開拓できたことが売上の回復(49億円→50億円)に効果があった。(常田氏)

→メーカーがブランドを持ち、自ら売っていくことについては、
ブランディングは一朝一夕に出来ることではなく、さまざまな地道な努力の行き着く先にブランドが形成されていくものである。また、生産設備の稼働を通年にわたって平準化していくためには、(現時点で)アパレルへのOEM生産が主で、直販等は端境期を埋めるといった位置づけにならざるを得ない。(東氏)

→長引く国内経済の低迷の中で消費者が保守的になっているとの現状に対し、
ブランドだけでは売れない。商品のすばらしさを消費者に説明しやすいようセールスポイントの明確なものが求められている。(和泉氏)
お客様の顔をよくみて、お客様をワクワクさせる商品の企画製造が求められる。
若手クリエータと産地企業のコラボレーションで見附の市場認知度を高める努力が必要。クリエータについては(かってのように)東京を意識しなくても良い。(東氏)

  若手クリエータと産地企業とのコラボレーション例(会場配付資料より抜粋)

→ネット時代の業界の変化について
かってはアパレルが企画・宣伝を行い、産地に発注をかけ、専門店や百貨店に商品を流し消費者に提供していたが、最近では消費者が価値を求めて業界を動かしている。(アパレルが価値を押しつけられない)消費者が求める価値を産地が提供できるようにすること(技術力)が求められている。例えば「毛玉が出来ないセーター」や「伸びないセーター」といった商品ジャンルが現れつつあるが、自信を持って販売できるようなものはまだ目にしていない。(和泉氏)

→今治タオルのように見附のコアコンピタンス(他に誇れるナンバーワンの技術)を絞れないかに対し、
ニットメーカー各社各社で生産設備や技術に特徴があり、差別化がされている。「これが見附の技術」といったセールスポイントを示すのは不可能。(坂田氏)
見附の切り返し柄(インターシャ)で立体的なニット製品を作る技術は世界ナンバーワンだと思っている。(東氏)

→田園と里山を活用して羊を500頭育て、年間1tonの見附産羊毛の繊維製品化と羊肉のレストラン経営するといった商工会の構想については、
実現性が低いと批判するよりも、このような発想からスタートしないとブレイクスルーにはつながらないので、面白いことを考えるのは良いこと。青い色の羊など三原色の羊があれば、三色を組み合わせていろいろな色を作れるから染色が必要でなくなると考えるのも面白いこと。(東氏)


 討論会の最後に会場から、「産地インフラ(産地内の分業機能のこと)が失われつつあり、生産活動の継続が困難になっている」との発言があり、知事からは、「どこの地場産地にも共通した課題として認識している。県として何が出来るのかを検討したい」との回答がありました。

※詳細な発言記録は後日、知事のホームページ
(http://chiji.pref.niigata.jp/51696.html)から発信されます。

※産地インフラが失われつつあるとは:昭和50年代、見附市内に8件あった染色加工業がいまや一件もない。一方栃尾地区では、染色加工業は残っているものの、整理仕上加工業が皆無になっている。繊維業界にとっての産地インフラとは、「原料商」、「撚糸業」、「整経準備業」、「染色業」、「整理仕上業」など分業生産体制に応じて存在していた企業群をいう。マスが減少していく過程で経営が継続できなくなり消えていった企業が多く、いまや県域を越えて加工の受発注がされている。




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