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センシング技術の農業応用
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センシング技術の農業応用に関する調査研究
事例紹介(その1) 「カメラによる植物の認識」(画像処理)
「センシング技術の農業応用に関する調査研究」プロジェクトでは、AI・IoT時代の農業を見据え、最適な方法で農作物の生育情報を取得することにチャレンジしています。得られた生育情報は養水分管理などの生産工程の自動化に活用でき、次世代の農業に貢献できるものと考え、研究開発に取り組んでいます。
近年、カメラはパソコン、スマートフォン、携帯電話に搭載されており、Webカメラは1000円程度で入手できるほど普及が進んでいます。 今回はWebカメラで撮影した画像から画像処理(Image processing)技術を用いて植物の生育情報を取り出した事例を紹介します。
1.カメラを生育センサに
図1は定点カメラでリーフレタスを撮影した画像です。 この画像から植物の生育状況を画像処理で数値化してみましょう。
図1 リーフレタスを撮影した画像
デジカメで撮影した画像データをパソコンで表示し、拡大すると確認できますが、画像データは小さな光の点が図2のようにマス目状に集まったものとなっています。 この光の点を画素といい、赤緑青の三原色で構成でされています。
今回の画像処理では、リーフレタスの緑色の部分の画素を図3のように左から右へチェックし、緑色の部分の画素数を数えて数値化します。
図2 マス目状の画素で構成される画像
図3 画素の計数
画像処理の結果を以下に示します。
実験開始時のリーフレタスの画像(図4)を数値化した結果は約60,000画素でした(図5)。
画素を数えたかどうかをわかりやすくするために、図5の結果は数えた画素を明るい緑色で表示しています。
図4 画像
図5 結果
少し成長した画像(図6)では、約120,000画素でした(図7)。
図6 画像
図7 結果
十分に成長した画像(図8)では、約240,000画素ありました(図9)。
図8 画像
図9 結果
このように画像処理で緑色の部分を数えることで、Webカメラを生育状況センサとして活用できることがわかります。
2.おわりに
今回の事例は無料のオープンソースソフトウェアを使用し、1000円程度のUSBカメラ、数万円のパソコンで実施できました。 最近は数千円で購入できる名刺サイズの小型コンピュータでも実用にたえられる画像処理ができるようになってきました。 それらの活用も含めて、今後もこのようなAI,IoT時代の農業を見据えた、安価な方法での農作物の生育情報取得事例を紹介していきます。
問い合わせ:新潟県工業技術総合研究所
企画管理室 主任研究員 木嶋 祐太
E-mail
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