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レプリカ法による非接触表面粗さ測定

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1.はじめに
 表面粗さは、機械加工などによって生じた製品の表面性状(「つるつる」や「ざらざら」)を数値で表したものです。表面粗さの測定方法については接触式と非接触式がありますが、このうち接触式についてはJISで測定方法が規定されています。接触式では、決められた形状の触針で測定物の表面をなぞって表面の微小な形状を測定し、得られた形状を決められた方法で解析して表面粗さを求めます。
 ここで、非接触式についてはレーザ顕微鏡や白色干渉計などがあります。非接触式はJISの規定がないことに加え、試料の表面状態、反射率、形状などに測定値が影響されやすいが、試料を傷付けずに表面粗さを測定できる利点があります。当所では、表面状態が異なる種々のステンレス鋼板などについて、接触式と非接触式による表面粗さ(RaRz)の比較測定を行い、両者が概ね一致する結果を得ています。
 ここでは、据え置き型の測定装置に載らないような大物の測定物の表面粗さを行う場合を想定し、試料から採取した表面のレプリカについて、レーザ顕微鏡による表面粗さ測定を試みたので紹介します。

2.実験
 測定に用いた試料は、前回レーザー顕微鏡で直接測定したSUS304鋼板(ヘアライン、2B仕上げ、#400バフ仕上げ)1)から採ったレプリカです。実験では、レプリカの表面粗さをレーザ顕微鏡で測定して前回の測定結果を比較しました。実験条件は次のとおりです。

・測定装置:オリンパス(株)製レーザ顕微鏡(LEXT-OLS4100)
     倍率50倍、開口数0.95の対物レンズを使用
     カットオフ:ヘアライン 0.8mm
           2B仕上げ 0.25mm(Ra評価時)、0.8mm(Rz評価時)
           #400バフ仕上げ 0.25mm
     評価長さ:カットオフの5倍(助走と後走はカットオフの0.5倍)
     フィルタλs:2.5μm
・レプリカの種類:丸本ストルアス(株)製レプリセット T3
・試料の同一箇所を5回繰り返し測定し、RaRzの平均値とt分布による95%信頼限界を算出

3.実験結果
 表に、今回測定したレプリカの表面粗さと、前回測定した鋼板表面の表面粗さを示します。表より、レプリカの測定結果は、鋼板表面を測定した結果と信頼区間の範囲内でほぼ一致していることが分かります。レプリカの方が鋼板表面より信頼区間の範囲が小さくなっているのは、鋼板表面は表面の任意の位置を10回測定しているのに対して、レプリカは同一の位置を5回繰り返し測定しているためと考えられます。なお、レプリカの表面は実際の表面と凹凸が反対になるため、負荷曲線の解析などに注意が必要と考えます。

表 レプリカと鋼板表面の表面粗さの比較
結果


文献
1)(株)日本金属工業,"表面仕上げ記号の摘要",NTKステンレス鋼表面仕上げサンプルブック

 問い合わせ:新潟県工業技術総合研究所
       県央技術支援センター   斎藤 雄治
       TEL:0256-32-5271  FAX:0256-35-7228

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