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引張強さと試験速度(SUS430材)

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1.はじめに
 前々回はSPCC、前回はSUS304の引張試験片について、クロスヘッド変位速度を変えたときに耐力や引張強さがどう変わるかを調べました。その結果、クロスヘッド変位速度が2~200mm/minの範囲においてはクロスヘッド変位速度の増加に伴い、SPCCでは引張強さや耐力は増加し伸びは減少しましたが、SUS304では耐力は増加し引張強さと破断時全伸びは減少しました。
 今回は、SUS430の引張試験片について同様な試験を行いましたので紹介します。この試験は平成30年4月に実施したものです。

2.実験
・試験片 :冷間圧延ステンレス鋼板 SUS430 13B号試験片(板厚0.8mm)
・実験装置:インストロンジャパンカンパニィリミテッド製 万能材料試験機 5582
・試験速度:2、4、10、20、40、100、200 mm/min
・伸び計 :ビデオ伸び計(レンズf25、画角100mm、照明アレイ500mm)
・試験項目:万能材料試験機…耐力(オフセット法)、引張強さ、破断時全伸び
・試験温度:17℃

3.実験結果
 クロスヘッド変位速度を2~200mm/minの範囲で変えたときの公称応力-公称ひずみ線図を図1に示し、耐力、引張強さ、破断時全伸びの試験結果を表1に示しました。表1において、クロスヘッド変位速度の増加に伴い、引張強さは増加し破断時全伸びは減少していることが分かります。また、耐力については4mm/minの結果を除けばクロスヘッド変位速度の増加に伴い増加していることが分かります。このことから、クロスヘッド変位速度の増加に伴い引張強さや耐力は増加し伸びは減少したSPCCと同様の傾向があることが分かります。


公称応力-公称ひずみ線図
図1 公称応力-公称ひずみ線図


表1 引張試験の結果
クロスヘッド変位速度 (mm/min) 耐力 Rp0.2(MPa) 引張強さ Rm(MPa) 破断時全伸び At(%)
2 304 517 28
4 351 520 28
10 315 524 28
20 332 525 28
40 347 530 27
100 366 534 26
200 364 542 25


 表2に、種々のクロスヘッド変位速度に対する応力増加速度とひずみ速度を示します。クロスヘッド変位速度の増加に伴い、ひずみ速度はほぼ比例して増加していることが分かります。また、JIS Z2241で規定されている応力増加度(3~30MPa・s-1)とひずみ速度(0.003~0.008s-1)を満たすクロスヘッド変位速度は、本試験片については、応力増加速度は2と4mm/min、ひずみ速度は10と20mm/minとなることが分かります。


表2 種々のクロスヘッド変位速度に対する応力増加速度とひずみ速度
クロスヘッド変位速度 (mm/min) 応力増加速度 (MPa・s-1) ひずみ速度(s-1)
2 6 0.0006
4 17.5 0.001
10 38.8 0.003
20 75.3 0.006
40 147 0.009
100 369 0.03
200 852 0.05


 問い合わせ:新潟県工業技術総合研究所
       中越技術支援センター   斎藤 雄治
       TEL:0258-46-3700  FAX:0258-46-6900

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