黒鉛球状化率評価のウェブアプリ
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黒鉛球状化率評価のウェブアプリ

1.はじめに
 今回は、球状黒鉛鋳鉄品の黒鉛球状化率を評価するためのウェブアプリを作成しました。このアプリは、球状黒鉛鋳鉄の顕微鏡画像を読み込み、黒鉛の形状を面積率1)によって評価して、黒鉛球状化率を計算するものです。ウェブアプリの作成には、OpenCV2)という画像処理専用のライブラリを用いています。
 本トピックスの2にウェブアプリを示し、3でウェブアプリの使い方を説明しています。サンプル画像やお持ちの顕微鏡画像でぜひお試しください。
 なお、このウェブアプリは令和3年9月に作成したものであり、JIS G 5502(2001)に対応しています。

2.ウェブアプリ

OpenCVの読み込み中...

入力画像 評価画像

青色:Ⅴ、Ⅵ 赤色:Ⅰ~Ⅳ

パラメータ
 



3.ウェブアプリの使い方
1.一番上に「読み込み完了」と表示されていれば使用できます。
2.入力画像の下の「ファイルを選択」*をクリックして画像ファイルを読み込むと、「入力画像」に画像が表示されます。
3.画像の下の3つのパラメータ(画像の幅、黒鉛の最小長さ、面積率)について設定・確認します。
4.「球状化率の評価」をクリックすると、「評価画像」に黒鉛の形状評価の結果が表示され、パラメータの下に「球状化率」の計算結果が表示されます。
5.「画像のダウンロード」をクリックすると、評価画像を保存できます。
*「参照」などと表示される場合もあります。

※パラメータについて
・パラメータの値はいつでも変更可能です。値を変更後に「球状化率の評価」をクリックすれば、変更したパラメータに対する形状評価の結果と球状化率が得られます。
・「画像の幅」には、画像の幅が何μmに相当するかを入力します。例えば、画像の幅が1000μmの範囲を表示する画像では1000μmと入力します。初期値(880μm)は、下に示すサンプル画像の値としています。
・「黒鉛の最小長さ」には、黒鉛の形状評価や球状化率の計算に用いる黒鉛の最少長さを入力します。初期値は、JIS G55023)の規定値(15μm)としています。
・「面積率」には、形状ⅤおよびⅥと判定するための「黒鉛の面積」÷「黒鉛の最小外接円の面積」の値を入力します。この初期値は、当所による実験4)で得られた値(0.42)としています。

【注意点】
・お使いの環境によっては、動作しなかったり、処理に時間がかかる場合があります。
・丸み係数は規格で規定された値ではありません。
・意図しない動作の可能性があるため、画像ファイル以外を読み込まないでください。
・本ウェブアプリの利用により生じた損害等について、当研究所は責任を負いません。

サンプル画像(球状黒鉛鋳鉄品の顕微鏡画像です。お持ちのパソコンにダウンロードしてウェブアプリに入力してください。)
サンプル画像

参考文献
1) 画像処理による黒鉛球状化率判定試験についてhttp://www.iri.pref.niigata.jp/topics/H31/31kin11.html
2) https://opencv.org/
3) 日本規格協会, JIS G5502(2007) 球状黒鉛鋳鉄品
4) 画像処理による球状黒鉛鋳鉄品の黒鉛形状の分類についてhttp://www.iri.pref.niigata.jp/topics/R3/3kin1.html

  問い合わせ:新潟県工業技術総合研究所
        中越技術支援センター   斎藤 雄治
        TEL:0258-46-3700   FAX:0258-46-6900
        Mail:info@iri.pref.niigata.jp