本文へスキップ

新潟県工業技術総合研究所は、工業系の技術支援機関です。

Topページ >   研究開発 >  研究成果紹介

工業技術総合研究所 研究成果紹介

インデックス
◆加工・材料技術
◆CAE・コンピュータシミュレーション
◆センシング・制御・画像処理・ロボット
◆化学・表面処理
◆測定・分析技術
◆ナノテクノロジー
◆繊維・織物・染色
◆植物・栽培

◆加工・材料技術

超高張力鋼板加工技術の開発(平成27年度)


>>工業技術年報
 シートフレーム部品の軽量化を図るため、引張強さが1,000MPaを超える超高張力鋼板について冷間加工技術を確立する。
研究成果
1 万能材料試験機による引張試験を行い、超高張力鋼板の応力-ひずみ曲線を得た。塑性ひずみ比(r値)の測定ではJISの計算方法を改良し、低ひずみ領域でも良好な結果を得られる計算方法を考案した。
2 プレスシミュレーションを用いて目標形状に対する成形方法を考案し、金型形状へフィードバックした。
3 成形試験により、考案した成形方法にて超高張力鋼板の冷間加工が可能であることを確認した。。

真空装置用ステンレス製大型容器の多様な形状に対応する新加工技術の開発
- リング鍛造と熱間フローフォーミングの複合化 -(平成27年度)


>>工業技術年報
 真空装置用の「大型でフランジ付き形状のステンレス製容器」の多様化するニーズに対応するため、従来の鍛造と切削、および溶接に代わる加工方法として、リング鍛造と熱間フロ-フォ-ミングを組み合わせた複合加工法を開発し、材料の削減、短納期化、低コスト化を図る。
研究成果
1 26年度までに開発したフローフォーミングのシミュレーション手法を活用し、成形パスを簡略化させるとともに、さらなるニアネットシェイプ化の実現に向け成形方案の最適化を行った。
2 高周波加熱装置を改良して短時間でのワークの加熱を実現するとともに、熱画像装置での温度測定と加熱条件の検討で、最適な温度分布を実現した。そして、最適化した新成形方案により安定したニアネットシェイプ化を達成した。
3 成形品の品質評価を実施し、良好な品質であることを確認した。また、実用化に向けた試作ラインを開発して試験を行い、目標のサイクルタイムが実現できることを確認した。

耳付和紙の切断加工条件の把握(平成21年度)


>>工業技術年報
 小国和紙の付加価値の向上とコストダウンを図るため、水塗布と引張りによる和紙の耳付加工方法を検討するとともに、装置設計に供する最適な加工条件を把握する。
研究成果
1 柿渋処理以外の和紙では、水付け位置できれいな耳加工が可能となった。
2 適正な引張荷重および速度と伸び量を把握し、その条件を用いて小国和紙生産組合が耳加工機(和紙フリーサイズカット機)を開発した。
3 耳加工機の開発により手作業に対して効率が3倍向上した。

航空機用難削材の加工技術研究(平成20年度)


>>工業技術年報
 航空機に使用される、特に難削材部品の切削加工時間を短縮し、切削技術およびコスト面において競争力の強化を図る。
研究成果
1 チタン合金の高速ミーリング加工に適した工具、および切削加工条件を提案した。
2 実際の航空機部品類似形状の加工に運用を試みた結果、従来方法と比較して加工時間の短縮を図ることができた。
3 切削工具に関して特許を出願。

大型角筒形状の高精度温間プレス成形技術の開発(平成20年度)


>>工業技術年報
 電気自動車用等の大型角筒リチウムイオン二次電池ケースを対象として、成形工程に温間絞りを適用し、ステンレス製角筒容器の高精度、高効率な成形技術を開発する。
研究成果
1 万能材料試験機による引張試験を行い、超高張力鋼板の応力-ひずみ曲線を得た。塑性ひずみ比(r値)の測定ではJISの計算方法を改良し、低ひずみ領域でも良好な結果を得られる計算方法を考案した。
2 プレスシミュレーションを用いて目標形状に対する成形方法を考案し、金型形状へフィードバックした。
3 成形試験により、考案した成形方法にて超高張力鋼板の冷間加工が可能であることを確認した。。

マグネシウム合金の次世代製品開発(平成20年度)


>>工業技術年報
 新Mg合金(平成16~18年度都市エリア事業(長岡エリア)にて開発)等を活用して、自動車、航空機、電車等の構造部品を開発するための要素技術開発を行う。4テーマのうち表面処理技術、プレス技術の2テーマを担当。
研究成果
1 化成処理によるMg合金の高耐食性技術の開発
 ①新規表面の処理法の開発
 ②表面特性の計測
 ③耐食性の評価
2 複雑形状付与プレス技術の開発
 ①ハイブリッドマテリアル構造部品のプレス技術開発
  ・Mg合金等のパイプ材曲げ加工
  ・Mg合金等板材のプレス加工
 ②熱制御プログレッシブ温間加工用金型の開発
  ・熱的好適性金型の開発。

複数工程で製作される情報家電向け多機能光学シート用成形金型の革新的工程集約を実現させる超精密切削システムの構築(平成20年度)


>>工業技術年報
 複数装置を要する金型加工プロセスを大幅に集約するワンマシン完結型加工システムの構築に向け、光学部品用金型の加工に適した微細切削工具の開発と切削技術について研究する。
研究成果
1 オリジナルcBN工具の刃先部にスカイフ盤研磨を施し、表面が平滑で切れ刃稜線が明瞭な工具を作製した。
2 上記工具を用いて焼入鋼を切削した結果、切削面粗さは主軸を傾けた場合に顕著に改善された。

鍛造化した骨接合材の製品化に関する研究(平成19年度)


>>工業技術年報
 各種骨接合材の機械的信頼性データの取得と評価方法を確立する。
研究成果
1 エッチングが難しいといわれているCo-Crの鍛造組織の顕微鏡観察が可能になった。
2 Ti合金製大腿骨接合材の疲労試験方法について知見を得た。

高度塑性加工技術による車両用シートフレーム部品の開発(平成18年度)


>>工業技術年報
 Mg合金の温間対向圧力成形、温間逐次成形等の技術開発を行い、高性能・軽量シートフレーム部品を開発する。
研究成果
1 マグネシウム合金板に通電加熱することによる温間逐次成形技術の開発。
2 耐熱ゴムを圧力媒体とする温間対向圧力成形技術の開発。
3 意匠性の向上と軽量を両立させた車両用センターテーブルの開発。

ニッケルフリーステンレス鋼の実用化研究(平成18年度)


>>工業技術年報
  ニッケルフリーステンレス鋼の量産化技術開発を目的に窒素含有前のフェライト組織の状態で薄板成形した後、高温で窒素吸収処理する手法で組織をオーステナイト化した薄板を試作し、特性を評価するとともに、SUS304など既存のステンレス鋼と比較し、製品適用性の可能性を検討した。
研究成果
1 圧延後、窒素吸収処理を行って、0.2~1mmの板材を試作し、組織のオーステナイト化を確認した。
2 試作板材の特性を評価したところ、強度と耐食性については既存のステンレス鋼を上回った。
3 絞り加工性については既存のステンレス鋼に比べるとやや劣るものの、前回試作に比べ改善することができた。

ファイバーレーザ等を用いた加工技術の研究(平成18年度)


>>工業技術年報
 ファイバーレーザーによるマグネシウム合金等各種金属材料に対する切断条件、穴加工条件、溶接加工条件の探索を行う。
研究成果
1 吸収剤を塗布し吸収率を上げることで、50W-CWのファイバーレーザーで板厚100μmまでのマグネシウム合金AZ31について、切断・穴あけ加工できた。
2 50W-CWのファイバーレーザーを用いた切断加工の場合、AZ31板厚50μmで30μmから40μmの幅で切断できた。

◆CAE・コンピュータシミュレーション

シミュレーションを用いた不等ピッチメタルソーにおける刃型最適化設計技術の開発(平成27年度)


>>工業技術年報
 不等ピッチメタルソーにおけるピッチ配分等の刃型最適化設計技術をシミュレーションを使って開発する。
研究成果
1 切削実験における振動挙動を再現する簡易的なシミュレーション手法を考案した。
2 最適な刃型設計により、問題となる振動周波数を低減できることが分かった。また、それをシミュレーションにより予測できることが分かった。
3 シミュレーション技術を活用することで,刃型設計を迅速に行えることを示した。

高精度加工・新材料シミュレーション技術に関するシーズ育成研究(平成27年度)


>>工業技術年報
 CFRP製品の設計技術力強化を目的に、マルチスケールシミュレーションによるCFRP製品の機械的特性評価手法の有効性や問題点について検討する。
研究成果
1 UD材を用いた均質化解析を実施し、繊維配列により繊維直交方向の等価物性値が変化することを確認した。
2 マクロ構造解析により、等価物性値や繊維配列が与える影響を調査した。その結果、試験方向以外の変形成分が生じる条件下では、繊維配列の影響が大きくなることを見出した。
3 UD材による曲げ試験、扁平試験と同試験シミュレーションを実施し、比較的よく一致した解を得た。

印刷鋼板の成形時不具合のプレスシミュレーションによる調査(平成23年度)


>>工業技術年報
 ファンヒーター用前面パネルのプレス成形時に、印刷鋼板の印刷がはげる不具合が発生する場合があり、金型修正に多くの時間を費やしている。そこで、コンピュータシミュレーションにより問題部分成形時の状況を再現し、対策を検討する。
研究成果
1 コンピュータシミュレーションにより問題部分の加工工程を再現した。
2 シミュレーションにより問題部分が加工中にさらされる様々な状況を調査し、企業担当者と共同で原因の推定と対策案を検討した。
3 シミュレーションにより対策による改善効果を計算した。
4 企業担当者が、検討した対策を施した金型による成形を行った結果、不具合が改善されたことを確認した。

ミニ破砕機異物混入時の衝突解析(平成22年度)


>>工業技術年報
 新開発の小型破砕機が想定外の硬い異物を噛みこんだ際に、装置全体に生じる応力状態をコンピューターシミュレーションにより計算する。
研究成果
1 衝撃吸収機構の最適化と、これによる衝撃低減効果を確認することができた。
2 コンピューターシミュレーションにより多大なコストと時間を要する衝撃実験を省略することができ、開発期間・コストを低減することができた。

鋼板のプレス成形シミュレーション(平成21年度)


>>工業技術年報
 新型ファンヒータの前面パネル部品についてプレス成形シミュレーションを実施し、成形の可否および品質を確認する。
研究成果
1 しわ抑え力の適正化により、成形可能となる条件を見出すことができた。
2 FLDを用いた成形品質評価により、しわ発生部位を特定し、ビード位置の適正化を図った。
3 プレス成形シミュレーションの活用により、製品開発期間を短縮することができた。

側溝上部補修工法(ネプラスTD工法)による新側溝の高強度化に関する研究(平成17年度)


>>工業技術年報
 傷んだコンクリート製側溝を補修する新工法(ネプラスTD工法)について、補強構造を検討する。
研究成果
1 大型ダンプの通過にも十分耐えられる結果を得た(企業では実際に圧縮試験等も行っている)。
2 本新工法は、従来の工法と比較して施工時の廃材を80%削減した。
3 重機による掘削が不要で残土が発生しない省資源・省エネ工法として、「IDSデザインコンペティション2006」でIDS大賞に選ばれた。

樹脂流動解析による調理器(ワイドスライサー)の機能性向上(平成17年度)


>>工業技術年報
 プラスチック成形品において、成形時の樹脂部に生じる、ウェルドライン(樹脂同士が交わって生じる曲線)を目立たなくする。
研究成果
1 ゲートを2つ設けることでウェルドラインを移動することが可能であることがわかった。
2 金型を修正し実際に成形したところ、消費者ニーズに合った目的の製品を得ることができた。

◆センシング・制御・画像処理・ロボット

高出力の熱音響エンジンの開発(平成27年度)


>>工業技術年報
 工場などの未利用熱や太陽熱を冷熱や電気に変換して利用する熱音響エンジンの実用化のため、高熱から音波を発生させる装置と、ヒートパイプで熱を輸送し音波を発生させる装置を試作する。また、出力を大きくするため、エンジンを多段にする装置を試作し、高圧のヘリウムを封入する装置を設計する。
研究成果
1 ループ状の進行波型熱音響エンジンを製作し、定在波型に比べて発電量は約2倍に増加した。
2 ループ状の進行波型熱音響エンジンで、エンジンの数を2台に増やし、1台に比べて発電量が3倍近く増加することを確認した。
3 ヒートパイプを使った熱輸送装置を製作し、熱音響エンジンを駆動して音波が発生することを確認した。
4 上記の試作機は作動ガスとして大気を利用していたが、高圧ヘリウムを封入したエンジンを設計し、一部を製作した。

伝統的工芸品の世界販売戦略を支援するためのバーチャルショウケースの研究開発(平成27年度)


>>工業技術年報
 インターネットを介したバーチャルショウケースとして製品の魅力を遠隔地で十分にディスプレイできるシステムを開発することで、伝統的工芸品の海外市場開拓や電子商取引拡大に資することと、伝統的工芸品のデジタルアーカイブへの活用が目的である。
研究成果
1 画像取得デバイスを作製し模様分析ソフトを設計中である。
2 背景立体の簡便な取得の原理検証を行っている。
3 Webを介して工芸品CGを表示し着せ替えできるプロトタイプを実装した。
4 ヘッドマウントディスプレイに3と同様の内容を表示してジェスチャ操作するプロトタイプを実装した。

鋳造品の外観検査装置導入に関する研究(平成21年度)


>>工業技術年報
 平成21年度に開発した外観検査装置を企業の現場に導入するための実験を行った。様々な欠陥のサンプルに対して、照明の位置、カメラのゲインといった条件を変更したときの欠陥の検出しやすさを評価した。
研究成果
1 工場に導入した実機においての最適な照明位置とカメラのゲインを決定した。
2 欠陥の種類や位置で条件を変化することが有効である。
3 製品の形状変化が激しい部分を選択的にマスクすることが誤認識低減に有効である。

画像処理を利用した鋳鉄品の外観検査の自動化についての研究(平成20年度)


>>工業技術年報
 鋳鉄品の外観検査を画像処理で自動的に行う装置を開発する。
研究成果
1 鋳鉄品の外観検査に適した照明器具と照射方法がわかった。
2 凹状と凸状の欠陥を検出する画像処理ソフトウエアを開発した。
3 らせん状で省スペースの供給装置を開発した。
4 上記成果をもとに外観検査装置を試作した。

匠の技を継承し発展させる技能伝承支援システムの開発(平成20年度)


>>工業技術年報
 県内中小企業では、熟練作業者による技術・技能の若手への継承が課題になっているため、その支援を目的として、研磨工程を対象とした技能継承支援システムを開発する。
研究成果
1 ワークへの力加減等をリアルタイムに表示するシステムを開発した。
2 輝度信号の拡大により、熟練者と初心者の違いを強調できた。
3 検査工程における技の伝承のニーズは多業種に渡っている。
4 目視検査工程を数値化することの有用性が明らかとなった。

介護予防のための筋力向上トレーニングロボットシステムの開発(平成19年度)


>>工業技術年報
 介護予防のための筋力向上トレーニングロボットシステムは、直接人が触れ合うために高い安全性が要求される。そのため、負荷測定やEMC等の各種試験を行い、システムの安全性を高める。
研究成果
1 人の代わりにロボットの機能や安全性を確認するための試験装置を開発しました。
2 ロボットに対しての電気安全性試験とEMC試験を行い、その結果を開発側にフィードバックしました。
3 ロボットの負荷を測定し、設定値とほぼ同じ値が得られることを確認しました。

巻線機制御回路部品の減量化に関する研究(平成19年度)


>>工業技術年報
 トランス製造用巻線機の数値表示回路を改良して部品点数と配線数を削減し、装置の簡素化と製造コストの低減を図る。
研究成果
1 数値表示回路をスタティック点灯方式からダイナミック点灯方式に変更することにより、部品点数と配線数を大幅に削減した。

グラインドゲージを用いた粉体塗料等の自動分散性評価装置に関する実用化研究(平成18年度)


>>研究報告書
 グラインドゲージを用いた分散性評価装置の自動化について試作機を開発する。
研究成果
1 依頼企業と共同で制作した第2次試作機の機能評価を行い、駆動機構、照明装置、撮像装置、画像処理方法について商用化に向けた詳細仕様を導出した。

レーザー測長器の高精度・高付加価値化に関する研究(平成18年度)


>>工業技術年報
 土木・建築作業を主用途としたレーザー測定器の高精度化に必要な、レーザー光の鉛直・水平姿勢制御と光学的測距に関する技術研究を行う。
研究成果
1 他社製品に比べて約2/3の時間で姿勢制御を行う墨出し器を試作した。
2 同期検波方式で距離測定ができることを確認した。

◆測定・分析技術

ゴミ取り用トング挟持部の滑り止め機構に関する研究(平成23年度)


>>工業技術年報
 滑り止めのため、挟持部にシリコン製カバーを装着したゴミ取り用トングの機能について検証を行い、ゴミ取り作業時の身体的負担軽減効果について確認する。
研究成果
1 本品とガラス瓶、缶、ペットボトルとの摩擦係数はいずれも従来品の2倍以上となることを確認した。
2 作業時における挟持力は従来品に比べて最大51%低減し、本品がより少ない身体的負担で作業できることを確認した。

鋼管用の防食用熱収縮チューブの温度変化に対する耐久性能確認試験(平成22年度)


>>工業技術年報
 地中埋設用鋼管の防食用樹脂製熱収縮チューブの耐久性能を把握するため、試験方法を検討し実施する。
研究成果
1 熱サイクル試験後の耐衝撃性能をピンホール検出により評価したが、異状は確認されなかった。
2 各耐久試験において、引張り強さ、伸びの著しい低下は確認できなかった。
3 薬液浸漬による著しい寸法変形などは確認できなかった。

建築用床部材の高湿環境下における寸法安定性能確認試験(平成21年度)


>>工業技術年報
 既設建設物件において、部材に変形が生じた案件があり、変形の原因として「接着剤の強度不足」が指摘された。変形が生じたと考えられる時期の温湿度条件(高湿環境)下での環境試験を実施し、原因の把握と確認を行う。
研究成果
1 表面形状測定において、高湿環境と標準環境の両条件下の試験品とも、試験中に生じた変形量は環境試験前に比べおよそ0.1mm以内であり、著しい変形の差は確認できなかった。
2 結果、実使用環境下において、接着剤の強度は十分であると考えられる。

人工歯の分光測色および光沢度測定に関する研究(平成20年度)


>>工業技術年報
 微小面積かつ凹凸面である人工歯および入歯の歯茎サンプルの分光測色と光沢度測定方法を検討する。
研究成果
1 微小面積かつ凹凸面のあるサンプルに対する測定方法を検討し、L*a*b*表色系による数値化が可能になった。
2 各サンプルのL*a*b*測定値から色差を算出し、測定値と目視判定との相関が明らかとなった。

In-situ分光分析用切削ユニットの開発(平成19年度)


>>工業技術年報
 材料表面層のナノメーターの深さ領域の組成物を簡単に取出し、分析するためのユニット開発を行う。
研究成果
プロトタイプの切削装置に関して、切削物を赤外分光光度計で評価を行った。
1 おおむね表面数十nmの薄膜をサンプリングできることがわかった。
2 実際のトラブルサンプルにも対応できることが分かった。

ここちよい打音・打感を有するゴルフクラブ開発に関する研究(平成18年度)


>>工業技術年報
 ゴルフクラブの材質・構造が振動・音響特性を介し使用者の感性に与えるメカニズムを解明し、ここちよい打音・打感のクラブを開発する技術を蓄積する。
研究成果
1 打音の時間-周波数特性を基に打音のここちよさ評価手法を確立した。
2 打撃時においてシャフトから手へ伝達した振動から、打感がどのような特性に起因するかを把握した。

鏡面光沢度の測定方法に関する研究(平成18年度)


>>研究報告書
 分光光度計を用いて鏡面光沢度を相対的に測定する方法を検討する。
研究成果
1 分光光度計を用いて、JISに基づいた相対的な鏡面光沢度の測定方法を実現した。
2 光沢度計による測定値と比較し、相関を明らかにした。

チタン合金を鍛造化した骨接合材の製品化と機械的信頼性評価方法に関する研究(平成18年度)


>>工業技術年報
 各種骨接合材の機械的信頼性データの取得と評価方法を確立する。
研究成果
1 切削品と鍛造品についてほぼ同等以上の機械的評価が得られた。
2 鍛造温度、熱処理温度の違いによる組織と強度の知見が得られ。
3 産総研方式に準じた疲労試験に関するノウハウが得られた。

巻線型広帯域インダクタの高周波特性測定技術の開発(平成18年度)


>>工業技術年報
 広帯域フェライトインダクタの高周波数帯域における測定技術を開発する。
研究成果
1 上限周波数40GHzまでの高周波数帯域に対応した測定治具を開発した。
2 再現性の高い部品の特性(減衰特性等)測定法を開発した。

単結晶フェライト製造管理技術の確立(平成18年度)


>>工業技術年報
 単結晶フェライト(MnZnフェライト)の製造に関する、成分分析、特性評価等の管理技術を確立する。
研究成果
1 成分分析、各種特性評価を適切に行うことができた。
2 分析、評価結果を単結晶製造工程にフィードバックし、良質な単結晶フェライトの製造に資することができた。

ネットワークアナライザ用高周波測定の研究開発(平成17年度)


>>工業技術年報
 1GHz以上の高周波ノイズを除去するインダクタを開発するために、高周波特性の測定法を確立する。
研究成果
1 40GHzまでの高周波帯域における周波数特性の測定が可能になった。
2 新製品開発が促進され、現在、委託企業は量産体制を整えている。

◆化学・表面処理

窒素添加によるクロム系ステンレス鋼の耐食性向上に関する研究(平成27年度)


>>工業技術年報
 高清浄窒素熱処理技術を用いて、各種クロム(Cr)系ステンレス鋼へ窒素の吸収(添加)を試み、最適な窒素熱処理プロセスを構築することで耐食性の向上を図る。
研究成果
1 マルテンサイト(Fe-13Cr)系は窒素熱処理により目標の硬さを得ることができた。
2 Fe-13Cr系は目標の耐食性レベルを達成した。Fe-18Cr系も窒素熱処理前に比べ、耐食性は改善され最終的には、目標である Fe-18Cr-8Ni(SUS304)レベルに到達した。
3 Fe-18Cr処理材の金属組織はオーステナイト単相ではなくマルテンサイトとの二相混合組織で500HVを超える硬さとなった。表面分析の結果、窒素は不動態皮膜中に存在している。

ヘキサンを用いたクロムメッキ廃液中の油分抽出法(平成23年度)


>>工業技術年報
 混合メッキ廃液(クロムメッキ廃液とアルカリ脱脂廃液の混合廃液)から油分を除去する。
研究成果
1 混合メッキ廃液にもみ殻活性炭を添加して、JIS法に準拠した抽出操作を行って、以下のことが確認できた。
2 混合メッキ廃液からの平均油分抽出量は、もみ殻活性炭の添加濃度と比例関係にあった。
3 混合メッキ廃液からの油分除去率は、もみ殻活性炭の添加濃度が5.0g/Lのとき9割程度となった。

ステンレス鋼の窒素吸収処理および耐食性に関する研究(平成22年度)


>>工業技術年報
 窒素吸収処理ステンレス鋼高い耐食性を有しているが高温環境のデータが不足している。本研究では量産対応処理プロセスの開発と約80℃での腐食実験を中心にメカニズム解明を含めた耐食性に関する研究を行う。
研究成果
1 窒素吸収処理量産プロセス技術を確立した。
2 孔食電位試験では80℃まで孔食は認められなかった。より環境の厳しい塩化第二鉄試験では、80℃で一部のサンプルでわずかに腐食が見られたものの、SUS316等の既存材に比べ高い耐食性を示した。
3 高温時の耐食性は不純物や化合物の影響を受けることがわかった。

越後杉の炭素化物研磨剤による次世代プリント基板研磨技術の開発(平成20年度)


>>工業技術年報
 地域資源である「越後杉」の端材や残材を炭素化および微粉化して研磨(補助材)し、プリント基板用材料の表面研磨技術への適用範囲を明らかにする。
研究成果
1 杉炭素化物による銅研磨で、より良い表面粗さになったのは、熱処理温度1200℃を使用した場合で、算術平均粗さ(Ra)が0.08であった。
2 炭素化物研磨剤に越後杉由来物質(未公開)を加えることで、研磨焼けや研磨粗さが改善された。
3 炭素化物および越後杉由来物質を用いた研磨技術で、プリント基板の反り伸びの発生が抑えられ、さらに鏡面化についても期待が持てることがわかった。

燻煙熱処理杉材の性質評価試験(平成20年度)


>>工業技術年報
 燻煙熱処理杉材をドア等建具材として利用拡大を図ることを目的に、従来材(天然乾燥杉材)と比較した性質評価試験を行った。
研究成果
1 燻煙熱処理杉材の収縮率は、従来材の約1/2となり寸法安定性が確認された。
2 実大ドアでは、燻煙熱処理杉材を用いることによりねじれを抑制できることがわかった。

フィルムコーティング装置評価用塗工液の開発(平成20年度)


>>工業技術年報
 フィルムコーターの評価用塗工液内製化を支援をするために、基準塗工液組成の開発を行う。
研究成果
1 開発目標の4種類の塗工液のうち、3種類の組成を見出した。
2 塗工テスト(企業)で実用性を確認した。
3 従来の購入品と比べコストを削減することができた。

粉砕した粘土陶管の消臭効果評価(平成19年度)


>>工業技術年報
 床下調湿材として使用されている暗渠排水用素焼陶管粉砕物の消臭効果を数値で評価する。
研究成果
1 粘土陶管を入れたデシケータの臭気ガスの濃度はなにも入れないもの(ブランク)より低くなった。 2 陶管入りのものは実験開始から1時間で95%以上濃度が下がった。

マグネシウム合金の電解研磨に関する研究(平成19年度)


>>工業技術年報
 光沢を持ったマグネシウム合金製品を安価で安定供給するために、安全なマグネシウム合金の電解研磨技術および量産化に関する研究を行う。
研究成果
1 光沢度で800を超える電解研磨条件が得られた。
2 立体形状サンプルにおいても光沢のある表面が得られた。

グリストラップ改善装置の改良(主に動物油脂の酸化)に関する研究(平成18年度)


>>工業技術年報
 オゾン吹込み式グリストラップ改善装置を備えたグリストラップにおいて、ラード状の固形食用油を処理しようとすると油塊が生成してグリストラップの性能、およびメンテナンス性が著しく損なわれるため、分析にてその原理を解明し、改善策を示す。
研究成果
1 排水中の油塊の分散除去を達成することができた。
2 安価で完全なカルシウム塩を用いて、目標が達成することができた。

チタン製品開発に関する研究(平成17年度)


>>工業技術年報
 チタン製スノーダンプを開発し、コストや機能等において消費者ニーズにあった商品を新規に市場に出すこと。
研究成果
1 研究によって得られた知見をもとに、チタン製スノーダンプを開発した。
2 販売日に完売する等の高い評価を得ることができた。

◆ナノテクノロジー

プラスチック製機能部品のナノレベル成形技術に関する調査(平成19年度)


>>工業技術年報
 高機能化・高精度化が要求されてきているプラスチック部品製造分野を対象に、MEMS技術を応用展開することで、県内産業の高付加価値型産業群への発展可能性を探る。
研究成果
1 MEMS製造技術を応用して、液晶ディスプレィ用導光板を試作した。
2 最小線幅20μmの薄膜熱電対を試作した。

ナノ加工の精密バリ取りに関する研究(平成19年度)


>>工業技術年報
 微粒子を用いたウェットブラスト加工による超精密切削加工品のバリ取り技術の検討を行うことで、ナノ加工製品の普及を促進する。
研究成果
1 微細加工形状を崩さずにバリ除去が可能なメディアの探索と、最適ブラスト条件を確立した。
2 メディアの残さ除去に関連する因子を把握した。

超精密加工機による金型加工(平成18年度)


>>研究報告書
 微細加工による加飾を目的に,プロモーション用キーシートの射出成型金型の研究を行う。
研究成果
1 微細加工した金型による部品の試作、金型の表面処理及び、洗浄方法を検討し量産が可能であることを確認した。
2 視覚的な効果を分光光度計によって評価し、視覚的効果と加工時間の最適な条件を把握した。

◆繊維・織物・染色

密度可変柄出し装置の性能評価と繊維製品の開発に関する研究(平成19年度)


>>工業技術年報
 当センターで開発した密度可変柄出し装置の実生産での活用を視野に入れ、装置の性能把握と各種の糸で実証試験を行い、商品展開の可能性について研究する。
研究成果
付加価値の高い商品開発が可能になることから、委託企業が装置の導入を決定した。
1 同一織物柄でもデザイン柄や光の入射角により、立体的な凹凸感が浮かび上がり、全く異なった織物表情を創出することができた。
2 シャンブレー調の織物ほど、密度変化による効果が鮮明に現れることが分かった。

ユニフォーム上の汚れ発生メカニズムに関する研究(平成19年度)


>>工業技術年報
 野球用ユニフォームに付着する汚れを、汚れの付着状況や汚れ物質を整理することで、その発生メカニズムを明確化する。
研究成果
1 汚れの成分として、炭素、アルミニウム、鉄、ケイ素の元素が含まれていることが分かった。
2 洗濯後に除去できない汚れは、フィラメント内部にまで入り込んでいる可能性を示した。
3 野球用ユニフォームの汚れを再現するには、汚れ物質の繊維間への入り込みの他に摩擦熱を考慮する必要があることがわかった。

銅繊維を用いた抗菌性繊維製品の開発(平成18年度)


>>工業技術年報
 繊維状の銅を織物に織り込みまたは編物に編み込み、銅の持つ抗菌力を活かした抗菌性繊維製品を開発する。
研究成果
1 銅の抗菌力による抗菌性繊維製品を作成できた。
2 製品中の銅の重量分率と抗菌性の関係について把握できた。

再帰反射糸の伸縮性付与に関する研究(平成17年度)


>>工業技術年報
 再帰反射糸を用いたニットや織物を製品化するため、伸縮性と反射効率の良い糸の開発を行う。
研究成果
1 当研究で開発した糸を用いてメッシュ状の編み地を作成した。
2 東京大学情報理工学系研究室のモーションキャプチャー研究に使用される等、繊維産地企業の新分野進出を促した。

タンパク質繊維のウォッシャブル化の研究(平成17年度)


>>工業技術年報
 ウール織物の風合いや素材の性能を保持したままで、水洗いが可能となる新規ウォッシャブル化加工の開発を行う。
研究成果
1 ウール織物の家庭用洗濯に対する防縮効果が確認できた。
2 風合い改善等が確認できた。
3 高機能化により、新たな販路が開拓できた。

◆植物・栽培

多品目に対応する小型植物栽培装置の開発(平成27年度)


>>工業技術年報
 人工光(LED)光源を中心とした地上部環境と、培地および養液を中心とした地下部環境の栽培システムの違いが生育・品質に及ぼす影響を研究し、栽培品目の拡大と付加価値のある植物栽培装置を開発する。
研究成果
1 レタスなどの葉菜類だけでなく、草丈の低い花き類も栽培可能であることを明らかとした。
2 リーフレタスにおいて、光合成有効光量子束密度(PPFD)と生育量の関係を明らかとした。また、ベビーリーフにおいて、赤色光に青色光を混和することによって機能性成分の含有量は増加するものの、生育が抑制されることを明らかとした。
3 秋から冬にかけてのレタスの最適培養液濃度を明らかとした。
4 照明部の可動化によって、装置に設置するLED数を現行の約80%にすることが可能である。


【問い合わせ先】
 新潟県工業技術総合研究所 企画管理室
 TEL 025-247-1301 FAX 025-244-9171
 E-mail: